親役割を担う子ども(ペアレンティフィケーション)

ペアレンティフィケーションのサイン:子どもが親の親になるとき

ペアレンティフィケーションとは、子どもが早すぎる時期に大人の情緒的・実務的な責任を担うこと。その影響は大人になってからはっきり現れることも多いものです。何に目を向ければよいのか、見ていきましょう。

ペアレンティフィケーションとは、子どもが、本来は大人が担う責任を、その役割に必要な発達の段階に達する前から担ってしまうことです。親の感情の受け止め役、きょうだいの世話、家事や生活の段取り、みんなをまとめる存在になる、などがあります。当時は「しっかりした子」「手のかからない子」に見えることが多く、だからこそ、影響があとから表れるまで気づかれにくいのです。

情緒的な肩代わりと、実務的な肩代わり

実務的な肩代わりとは、年齢に見合わない量の料理、掃除、生活の段取りを担うこと。情緒的な肩代わりとは、親の相談相手、仲裁役、心の支え役になることです。後者は、子どもが抱えきれない感情を背負わせるため、より深い跡を残しやすいといわれます。

当時は、なぜ褒められてしまうのか

「しっかりしているね」「年の割に大人だね」と褒められることが多く、その役割はますます強まります。そのため、失われたものというより強みとして受け止められ、ずっとあとになるまで気づきにくくなります。

大人になってからの現れ方

人に頼るのが苦手、世話をされると落ち着かない、関係の中でつい世話役に回ってしまう、他人の感情に責任を感じ続ける。これらは、親役割を担った子ども時代が、大人になってから響いてくる、よくある形です。

失われた子ども時代を悼むことが大切な理由

ただ子どもでいられること、何かを成し遂げなくても大切にされることを逃してきたという事実に向き合う作業は、飛ばされがちです。「でもそのおかげで強くなれた」とすぐに進んでしまい、何を失ったのかを十分に受け止めないままになってしまうのです。

ペアレンティフィケーションに気づくことは、親を責めることではありません。親自身も、病気、貧困、依存、あるいは単に余裕のなさなど、現実的な事情を抱えていたことが多いからです。大切なのは、自分に何が起きたのかを理解すること。それが、同じ役割を他の場所でも繰り返さないための第一歩になります。

全体的なパターンに気づくことは助けになります。次は、本当は自分が背負うべきではなかった責任は何だったのかを、具体的に言葉にしてみること。少し難しいけれど、より役に立つ見つめ方です。 OLENRIでその責任に名前をつける